MINATO_Akiraのブログ

ポストロック・バンド MINATOのギターAkiraのブログ。

音楽と自分の投影 toeとグッドバイ

 
音楽と自分の投影 toeとグッドバイ
 
以前に別のサイトで敬愛するtoeの歌詞について、考察のようなものを書いた。
 
それが色んな人に読まれてるとはつゆ知らず。
 
 
 
 
 
バンドで本当に久しぶりに歌詞を書いた。
最後まで書いたのは、これが初めて。
ここ最近のことや過去現在未来と想いを馳せて書いた。
コロナ渦にならなければ絶対に生まれていない曲だなとも思う。
それだけに、思い入れが強い。
ライブでやるのが楽しみだ。
その上で、自分の歌詞を客観的に見ようとしたり、色んなアーティストの歌詞をよんだりしながら、ぐるぐると頭を回っていた時に、ふと、昔に書いた手記を思い出した。
それがtoeのグッドバイについての歌詞だった。
 
随分前に書いた、青臭い文章。
もう8年も前になる。
当時僕は、失恋やら、それ以外での色んなものの喪失/裏切りを覚え、勢いのままに文章を書いていた。
それは今もそこまで変わらないかもしれないが、当たり前だが、今よりももっと若かった。
考え方も、行動も、趣味趣向も、何もかも。
 
それでいて、いつの頃だったか、友達から
 
toe グッドバイ で検索すると、アキラのサイトが一番上に出てくるよ!」
 
と言われた。
 
物凄く驚いたし、嬉しくもあったのだが、すごく気恥ずかしく、申し訳ない気持ちにもなり、それを知ってからサイトを更新することはしなくなった。
2015年以降は書いていない。
どの文章も小っ恥ずかしく、消そうかとも思ったのだが、それでも人生において一応の黒歴史も必要だろうと、消すことはしなかった。
そんな黒歴史を、久しぶりに見返そうと辿った矢先、何度か感想のメールを頂いたこともあって、ふと「今も見てる人いるのかな?」なんて気になった。
 
 
「いないだろう」と思って、Twitterで検索をかけたら、思った以上に読んでる人がいた。
また、共感してくれる人もいた。
これまた、ありがたく、小っ恥ずかしく、そして申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
そんなツイートに、ぽちぽちといいねを押して、回って、また恥ずかしくなって。
 
数年前のツイートにいきなり、朝からいいねが来たら気持ち悪いだろう。
冷静に考えて申し訳ないことしたな。
すいません。それは僕です。
 
あの文章を読んだ方に、謝罪と感謝を言いたい。
ごめんなさい。そして、ありがとうございます。
あれを書いたのは僕です。
 
 
重々おわかりだとは思うが、あくまで僕の解釈です。
toeの山嵜さんがどんな思いで、あの歌詞を書かれたのかは全く知る由もありません。
もしも、あの文章で変な印象をもったり、フラットな気持ちで曲を聞けなくなった人がいたら本当に申し訳ない。
そして、一ファンにごにょごにょと、勿体ぶって解釈されたtoeの皆様にも申し訳ない。
和訳も、僕の主観もあって、公式では無いです。
 
 
 
ただ、それでも共感してくれたり「いいな」と思ってくれる人がいてくれたのも事実で、それは本当に有難い。
あの文章でよりtoeを好きになってくれる人がいたら、こんなに嬉しいことはない。
書いてよかったな、と思う。
繰り返しになるが、あくまで僕の解釈。
それでも、喜んでもらえる人がいるのであれば、書いてたり残してたりしてもいいんだな、と思えた。
 
 
 
黒歴史は相変わらず、放置する。
きっと、何年経っても、「消そうかな、いや昔のお前はこうだったんだぞ」と自分に言い聞かせては消さない気がする。
そうかと思えば、急に「もういっか」と消すかもしれない。
 
そんな黒歴史を、今一度忘れないようにと、ここにも留めておくことにする。
放っておいたら、サイトのURLすら忘れそうになるし、今、文章を書くのはここだから。
 
 
 
 
今読んでも、やはり、僕の解釈はそこまで変わりはしなかった。
馬鹿馬鹿しいが、「音楽と自分の投影」とタイトルに付けているのだが、toeのレイテストナンバーにも「投影する」と言う歌詞が出てくる。
こじつけだが、何かシンパシーを感じて嬉しくなる。
痛いファンだなぁとはわかってる。
 
 
恥ずかしいけれど、お初の方も、読んだことある人も、よければ読んでみてやってください。
大学生の僕が書いた、toeのグッドバイについて。
僕の処方箋。大好きな曲です。
 
 
 
 
 
 
 
 
:::音楽と自分の投影 toeとGoodbye:::
 
今回は大好きなtoeというバンドについて書きます。読み終わって興味があれば是非聞いて見て欲しい。
 
 
toe-グッドバイ
 
 
There is no one can understand me truly
I do not go out and I will keep silence
 
Everyone is mania in general
You don't have time to sleep for to know others
 
It's more complex than how I used to though
But already I know the start is the end
 
Everyone is mania in general
You don't have time to sleep for to know others
 
うまく届かないんだ ...Humm
また次の不安か? ...Humm
A disruption and blinder ...Humm
その先は無いんだ ...Humm

うまく届かないんだ ...Humm
また次の不安か? ...Humm
A disruption and blinder ...Humm
その先は何だ? ...Humm
=================================
和訳
 
僕を理解してくれる人はいない
どこにも行かず、沈黙を守るだろう

 

躁鬱はデフォルトで
君は他人を知る為に眠る時間もない
 
それは思ってたより複雑だった
だけど、もう知ってる、始まりは終わり
 
躁鬱はデフォルトで
君は他人に夢中で眠る時間もない
 
上手く届かないんだ 
また次の不安か
分裂と目隠し
その先は無いんだ 
 
上手く届かないんだ 
また次の不安か
分裂と目隠し
その先は何だ            
 
=======================
 
 
2000年に結成したポストロックバンド。日本のインストバンドの金字塔じゃないんだろうか。
楽曲は幻想的かつ叙情的なのだが、演奏は激情。前身バンドがDOVEやREACHであったため、ハードコアのテイストが楽曲にみられるが、ライブではさらに如実に見られる。
メンバーの表情が本当に豊かで、音源にはない熱量がライブにはあり、パフォーマンスも有名。
またギターの山崎さんは、空間デザイナー、もう一人のギターの美濃さんはレコーディングエンジニア、ベースの山根さんはクロックスのアジアアパレルマネージャー、ドラムの柏倉さんは木村カエラのサポートドラムやthe HIATUSに所属しているなど、toeというバンド意外に職業があるところがおもしろい。
前身バンドで知名度があるとはいえ、本人達にしたら、サラリーマンや学生と同じ様にライブや音源を作る感覚で日常と平行して音楽やっているのだろうか。
もし、本当にそうなのであれば羨ましい。憧れる。また自身のレーベルから海外のアーティストのCDをリリースするなど、海外との交流も多く、アジアやヨーロッパツアーをする等、海外での認知度、人気度は高い。
youtubeなんかを見ると日本人のコメントより海外の人の方が多かったりもする。
 
そんなtoeの数少ない歌の入った曲。『グッドバイ』
一体何度この曲に救われれば気がすむのだろう。。。
自分の感情を100%汲み取ってくれる曲と言っても過言ではないくらいに、この曲は自分にリンクしすぎる。
toeを好きになったきっかけの曲。初めて聴いたのは高校二年生くらいで、PVも含めて「あぁ、なんだかお洒落だなぁ」という感じで、それからは本当にたまに聴く程度だった。
恐らく、好きになったのは大学に入ってからのここ一年間。アルバムも中古だけどほとんど購入し、iTunesでしか聴けない曲も購入した。
Live映像も呆れるくらい観て、実際のLiveも行った。圧巻だった。
MCはゆるいのに、プレイはタイト。
それでいて、なんであんなに優しくて、悲しくて、切ないんだろう。
そして、その中に垣間見える強さに、とことんやられた。
まぁ、まだ二十代前半の枠組みに入った若僧がtoeの音楽性について熱く語っても、説得力にかけるのでこれくらいにしておこう。
 
この曲の歌詞についても真意は計り知れない。
憂いているのか、悟っているのか、それとも抵抗しているのか・・・・
恐らく山㟢さんが書いたのだと思うが、夢を見るのであれば、ゆっくり会える事があるのであればどういう意図で書いたのか聞いて見たい。
もしかしたら、適当に書いたのかもしれない。ただ単純に溢れて来たのかもしれない。
アーティストの中では「音の響きとなんとなく」なんて結構あったりもする。
特にtoeインストバンド。歌詞や声も音の一部として捉えている気がする。
 
また、歌詞にはYou don't have time to sleep for to know othersとあるのに、歌ではYou don't have ……to know others….
と歌っている部分も気になる。実際の曲調としては歌えるし、ゲストボーカルで土岐さんやACOさんがそう歌っているのを動画で観たことがある。
歌える歌詞を何故歌わないのか。またその省略の仕方も面白い
You don't have time to sleep for to know othersであれば、直訳で「君は他人を知る為に寝る時間がない」だ。
それに対してのYou don't have to know othersの訳は「君は他人を知る必要何てないんだ」となる。
考え過ぎかもしれないが、ここにもtoeの奥ゆかしさを勝手に感じてしまう。
余談だが、歌でいうと土岐さんやACOさんよりも山崎さん自身の声の方が好きだ。音源もNew Sentimanetaryの方を良く聴く。
なんだか山崎さんの声の方が合うというか、言葉にできない「それ」に近い気がする。
 
ネット上で見つけたのだが、Everyone is mania in generalは「躁鬱はデフォルト」と訳すとtoeが言っていたらしい。
どこかのコラムか、はたまた本人達が友人達に言っていたのか、僕みたいなファンが勝手に作ったのか、真相はわからないが、すごく好きな歌詞だ。
その訳を知った時は、ひどく納得してしまった。「あぁ、そうだよね。俺もそう思う」と勝手に共感して涙が出た。
 
このグッドバイは全ての歌詞が共感できてしまう。
いや、共感と言っては語弊がある。ただ、自分の中で常に思う事が、勝手な解釈の中ではあるが自分を投影できてしまう。
だから、本当に何ともいえない感情に陥った時、この曲を聴くと落ち着くし、涙が出そうになる。
自分の中では完全に処方箋みたいなものだ。歌詞の中には頑張ろうだとか、生きろとか、人生は楽しいとか、そういう肯定的な事は一つも言ってない。
タイトルからして、Hello ではなく 、ましてやsee youでもなくGoodbyeなんだ。
それでも、不思議に絡まった心を解いてくれる。少しだけ前を見る事ができる。
 
この曲は一緒に深い所に沈んで漂ってくれる。
 
**
あの頃よりも、理解されない事も多くなった。誤解もよくされる。
大事な人でない限り、諦めて口を噤む事や心の奥底にある感情もすぐには出さなくなった。
他人にはない葛藤が躁鬱の様に自分を取り巻き、気付けばそれは初めからあったように自分の内面にずっと佇んでいる。
そんなに人の事気にしなくてもいいのにな、と思う事も周囲に対して日常的に思う。あまり気にしすぎると寝る暇もないだろう。体が持たないよ。自由にやればいいのに
何かと出会う時、それはやっぱり自分が思っているよりも複雑なんだ。でも、進み始めた時には、もう終わっている様なもんだ、という事ももう知っている。悲しい訳じゃないんだけど。
 
それでいて、大事な事にはうまく届かないんだ。届いて欲しい人には届かないんだ。
去っていってしまうのか、受け取ってもらえないのか、理解されないのか、わからない。
ただ、うまく届かないんだ。
それで、またその先の不安を抱いている。君もそうだろう。
抱いても仕方ないのに。不安を隠さずにいられない。
分裂して、繋がらず、目隠しされたみたいに彷徨う。不安にまみれて。
そうして歩いていてもその先に何があるのかわからない。
もしかしたら本当に始めから何も無いのかもしれない。
全てにサヨナラできてしまいそうだ。。。
**
 
勝手ながらではあるが、簡素に自分を歌詞に投影するとこういった具合だ。
いつも思っている事ではあるが、また一つ色濃く思ってしまう出来事があったので、大好きなtoeの歌詞をお借りして書きたくなった。
たまにはこういうコラムがあってもいいだろう。たまたま今回は自分の手で全てを書くに至らなかった。
自分の好きなものと自分の思う事をリンクさせるというのも悪くない。想いはあくまでも本物なのだから、人の手を借りて組み立てても変わりはしない。
こういう何か一つ自分を救ってくれる創作物があるというのは良い。
 
うまく届くはずもなかったんだ。
初めから望んではいけなかったのだろう。
それでも、まだ少し望んでいる気もする。
次の不安を抱えて。
その先は無いんだ。その先は何だ。
 
 
 
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